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注目される「ソーシャルリクルーティング」

ソーシャルリクルーティングに関心を持つ企業が増えている。新卒採用に関して、本格的にソーシャルリクルーティングを導入した企業が現れたのは2010年頃からであり、事例自体もまだ決して多いとはいえない。しかし、ソーシャルリクルーティングをテーマとする講演会やカンファレンスには多くの企業が参加し、成功した企業の事例やソーシャルメディアに詳しい専門家の話などに熱心に耳を傾けている。従来型の新卒採用に満足できない企業にとって、ソーシャルリクルーティングは非常に大きなポテンシャルを秘めた次世代型採用手法の一つというイメージが定着しつつあるようだ。
では、この注目のソーシャルリクルーティングとはどのようなものなのか。新しい分野だけにさまざまな捉え方があるが、ここではひとまず「ソーシャルメディアを使った採用手法」と広く定義して話を進めていきたい。

ソーシャルリクルーティングとは

ソーシャルメディアとは、ブログやTwitter、Facebook、YouTubeなどに代表される、誰もが原則無料で情報発信できるインターネットサービスである。日本でも急速に利用者層を拡大しており、これに着目した企業がマーケティングなどに活用するケースも増えてきている。2011年8月のニールセン調査では、日本国内ですでに1082万人もの人がFacebookのアカウントを取得している。また、東日本大震災で一躍注目されたTwitterの利用者は1500万人に迫ろうとしている。
利用者層の拡大とともに、これまでの趣味などを中心としたプライベートな利用を目的とする層だけでなく、徐々にビジネスやキャリアを意識したネットワークづくりに活用したいという層も増えつつある。これは学生も同じで、ソーシャルメディアを就職活動や将来のビジネス、キャリア形成に生かしたいと考えて利用をはじめる層は、今後確実に増えていくことだろう。 特に、現段階でソーシャルメディアを戦略的に使いこなしている学生は、ビジネスポテンシャルも相当高いと考えられる。こうしたトップレベルの学生にダイレクトにアプローチできることが、今ソーシャルリクルーティングが注目される大きな理由の一つだ。

ソーシャルリクルーティングが注目される第二の理由は、企業と学生の相互理解をより深めていくのに有効なツールだということだ。
優秀な学生ほど、自分の力を発揮できる環境の有無、あるいは目標となる人物がいるかどうかがきになるもの。ソーシャルメディアは、人と人のつながりを強化するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表されるように、双方向のやりとりで互いの理解を深めるのに最適のツールだ。ソーシャルリクルーティングは、面接やグループセッションといった従来型の選抜プロセスでは不可能だったコミュニケーションを可能にし、ミスマッチのない、企業にとっても学生にとっても満足度の高い採用を実現すると考えられている。
この他にも、地方在住の学生と距離を超えたコミュニケーションを実現できること、無料でソーシャルメディアを活用することで、告知にかかる費用を大幅に削減できること、また先進的な取り組みを行う企業、人材を重視する企業といった良いイメージづくりができることなども、注目されている要因といえるだろう。

特に新卒採用の告知の手段として、注目度は高い。2013年度採用の就職サイトのオープンは、例年よりも2カ月遅くなるが、この期間も有効に活動したいと考える人事・採用担当が、ソーシャルメディア上での広報活動に力を入れはじめている。ソーシャルリクルーティングをテーマとする講演会、カンファレンスなどに熱心に参加している企業のうち、かなりの割合がこのことを意識していると考えられる。

本稿では、さまざまな理由で注目される最新の採用手法・ソーシャルリクルーティングの現状を分析するとともに、ソーシャルリクルーティング導入に当たっての準備や留意点についてもお伝えしていきたい。
※なお、本稿で記述する「採用」とは、特にことわらない限り「大学・大学院の新卒採用」をさす。

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■参考:大学生が就職活動に使う情報源

一般の大学生は、就職活動のための情報をどこから得ているのだろうか。もっとも多いのは、代表的な就職サイト(「リクナビ」「マイナビ」「日経就職Navi」「学情ナビ」「en」などのナビサイト)である。就職を希望する学生のほぼ100%が、大手サイトのいくつかを利用している。

次いで多くの学生に利用されているのが、学生のクチコミサイト(掲示板)「みんなの就職活動日記(みん就)」といわれている。就職サイトなどに出てこない非公式情報を知るためにアクセスする学生が多く、これ単体で就職活動が完結するというものではない。あくまでも、就職サイトだけでは分からない生の声を収集しているといえるだろう。

ソーシャルメディアの利用は、現状では就職サイトや掲示板に次ぐ位置づけということになる。しかし、今後急速に利用者数を増やしていくのは間違いない。いわゆる上位校ではすでに過半数の学生が利用しているというデータもある。利用スタイルとしては、自ら情報を発信して人的ネットワークの形成を積極的に行うというよりも、情報収集ツールの一つとして考えている学生が多いようだ。

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